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血糖が高いほど、膵リパーゼ阻害剤が効く。
オルリスタット(商品名:ゼニカル)は、世界で発売されています。それに対して、日本で開発した膵リパーゼ阻害剤のオブリーンは発売されないことになりました。武田薬品が、アメリカの会社にすべての権限を引き渡したそうです。ですが、残された資料には、膵リパーゼ阻害剤では、血糖コントロールができる、という証拠が残っていました。
HbA1cが高いほど、膵リパーゼ阻害剤は、よりHbA1cを下げていることがわかります。
さて、この作用をこれから解明するためにはより詳細な資料が必要ですが、残念ながら治験を担当した武田薬品はもう頼りにはなりません。
肥満があるために、どうしても、インスリンでも、GLP1受容体作動薬でも、血糖値が、さがらない、そういう場合に、次の選択肢になる可能性は、膵リパーゼ阻害剤においても、十分にありましたから、糖尿病専門医としては、オブリーンが日本国内で未承認になったのは、残念でなりません。
体重を下げることは、血糖コントロールが悪化している患者であればあるほど、その価値が高い、ということを、以下の図は示してくれています。逆に、血糖コントロールが正常なレベル、HbA1cが、6.5%未満の対象者であれば、期待される効果は、体重減少だけ、ということになります。
こんな綺麗なデータがでているのに、厚労省は認可しないというのは、なにか理不尽な感じがしています。
