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最も強力なGLP1ダイエット。? 嘘?ホント?

1週間製剤のGLP1製剤をもってして、それが、最も強力な抗肥満治療であるとしている、クリニックがありますが、それは、嘘です。


1週間に1回のGLP1製剤でも、実は、それを毎日、注射した時に、「抗肥満作用」がある、という論文として報告されています。つまり、抗肥満治療は「1日1回、注射」が世界の大原則なのです。世界で標準、世界のスタンダードを唄うならば、正しく、そうした情報を世間に公開する必要があります。


それを裏付ける論文を紹介します。世界の最先端は、2018年、2年前に、この内容が発表され、世界中を驚かせました。


ただし、この治療は、ものすごく高価な価格になる可能性があります。一般人では費用対効果が合いません。ですから、「サクセンダ」が、現在の世界標準治療薬となっているわけです。通常、どんな薬でも、phase 2 で終わり、phase 3 に移行しない事がありますが、その理由は様々です。ただ、セマグルチドの場合、価格があまりに高く、それに対してサクセンダ3.0mgのほうが、有用性が高いと判断されたため、あえて、ノボノルディスク社は、Phase 3を公開しないのかもしれません。


あと4ヶ月後。アメリカ糖尿病学会がシカゴであります。もしかして、もしかしたら、超セレブ向けのダイエット法として、発表があるかもしれませんが、私は、サクセンダ3.0mg以上の効果があるのかどうか、は疑問ではないだろうかと考えています。


国際的論文で裏付けられている内容です。Lancetという雑誌は世界中の内科医師が認める、最も最高水準の医学雑誌(インパクトファクター53)の医学雑誌です。


Lancet. 2018 Aug 25;392(10148):637-649. doi: 10.1016/S0140-6736(18)31773-2. Epub 2018 Aug 16.


Efficacy and safety of semaglutide compared with liraglutide and placebo for weight loss in patients with obesity: a randomised, double-blind, placebo and active controlled, dose-ranging, phase 2 trial. O'Neil PM1, Birkenfeld AL2, McGowan B3, Mosenzon O4, Pedersen SD5, Wharton S6,


BACKGROUND: Obesity is a major public health issue, and new pharmaceuticals for weight management are needed. Therefore, we evaluated the efficacy and safety of the glucagon-like peptide-1 (GLP-1) analogue semaglutide in comparison with liraglutide and a placebo in promoting weight loss.


METHODS: We did a randomised, double-blind, placebo and active controlled, multicentre, dose-ranging, phase 2 trial. The study was done in eight countries involving 71 clinical sites. Eligible participants were adults (≥18 years) without diabetes and with a body-mass index (BMI) of 30 kg/m2 or more. We randomly assigned participants (6:1) to each active treatment group (ie, semaglutide [0·05 mg, 0·1 mg, 0·2 mg, 0·3 mg, or 0·4 mg; initiated at 0·05 mg per day and incrementally escalated every 4 weeks] or liraglutide [3·0 mg; initiated at 0·6 mg per day and escalated by 0·6 mg per week]) or matching placebo group (equal injection volume and escalation schedule to active treatment group) using a block size of 56.


本来、セマグルティドは、週1回の薬なのですが、これを、per day、つまり、毎日、注射にして、切り替えて、毎日、注射にしていったわけです。それだけに、強力なGLP1注射法ということになります。


All treatment doses were delivered once-daily via subcutaneous injections. Participants and investigators were masked to the assigned study treatment but not the target dose. The primary endpoint was percentage weight loss at week 52. 最終目標は、52週目での体重減少率(%)です。


The primary analysis was done using intention-to-treat ANCOVA estimation with missing data derived from the placebo pool. This study is registered with ClinicalTrials.gov, number NCT02453711.


FINDINGS: Between Oct 1, 2015, and Feb 11, 2016, 957 individuals were randomly assigned (102-103 participants per active treatment group and 136 in the pooled placebo group). Mean baseline characteristics included age 47 years, bodyweight 111·5 kg, and BMI 39·3 kg/m2.


平均年齢47歳。体重は110kg。BMIは、39の肥満患者さんです。糖尿病患者さんに限定はされていません。93%の対象者が52週を終えての体重測定に成功しています。


Bodyweight data were available for 891 (93%) of 957 participants at week 52. Estimated mean weight loss was -2·3% for the placebo group versus -6·0% (0·05 mg), -8·6% (0·1 mg), -11·6% (0·2 mg), -11·2% (0·3 mg), and -13·8% (0·4 mg) for the semaglutide groups.


運動と食事療法だけでは、−2.3%の体重減少でした。ところが、今回、私たちが考えているセマグルティドによるGLP1ダイエットでの、体重減少の変化率は、平均で、−11.6%から−13.8%です。約半数以上が−10%の減量に、成功したと言えるのかもしれません。これは、従来のビクトーザが、20%前後だったのに比べても、驚異的に高い確率です。


All semaglutide groups versus placebo were significant (unadjusted p≤0·0010), and remained significant after adjustment for multiple testing (p≤0·0055). Mean bodyweight reductions for 0·2 mg or more of semaglutide versus liraglutide were

all significant (-13·8% to -11·2% vs -7·8%).


オゼンピック(セマグルチド)と、ビクトーザ(リラグルチド)によるダイエットでは、統計的に有意差をもって、オゼンピックのほうが、体重減少に勝っていたというデータがしめされています。約2倍程度の確率で体重が減るようです。


Estimated weight loss of 10% or more occurred in 10% of participants receiving placebo compared with 37-65% receiving 0·1 mg or more of semaglutide (p<0·0001 vs placebo).


オゼンピックでは、かりに、0.1mgを毎日、注射していたとしても、37から65%の対象者が、ダイエットに成功していました。


All semaglutide doses were generally well tolerated, with no new safety concerns. The most common adverse events were dose-related gastrointestinal symptoms, primarily nausea, as seen previously with GLP-1 receptor agonists.


オゼンピックは、全ての用量でダイエットには成功するとありますが、あくまで、個人差があります。したがって、私たちは、オゼンピックの、0.2mg前後を中心に、多くの患者さんたちに、お奨めしていきたいと考えます。


心臓血管イベントも減らすという証拠もあり、もし、過去に心筋梗塞になっていて、どうしても、再発をしたくない、とか、睡眠時無呼吸で悩まされているとか、やせるに、やせられない、という肥満患者さんにはとっては、あるいは、社会的立場が、とても高い、だから、やせなくてはいけない、という方々には、お奨めかもしれません。そして、もしかしたら、その後の病気になった時のダメージを考えると、高くはないかもしれません。あと、肥満手術をうけて、後になって、逆流性食道炎などの後遺症になやまされるよりは、ましかもしれません。


! 注意事項 !

なお、本研究の対象者は、BMIが、39と、超高度肥満者が対象です。

BMIが24くらいで、BMIを18にしたい、モデル体重になりたい、という人が対象ではありません。その点の違いは、くれぐれも忘れないようにしてください。


常識的に考えるに、体が大きいから、このくらい強力なGLP1注射の投与にも耐えられたのかもしれません。体が小さい日本人では、ここまでしなくても、サクセンダで十分、同等の効果が得られると考えます。かつ、セマグルチドの毎日、注射となれば飛んでもないほどのお金がかかることでしょう。そこまでしなくても、サクセンダでも十分に食欲が低下していれば、結果は似たものになるとしか、思えません。あくまでGLP1治療は、食欲ホルモンで食欲を低下させるだけの治療です。注射すれば、それだけで痩せるというのであれば、濃度を高くし、頻度を上げる意義はわかりますが、そうでなければ、理論的にサクセンダによって、日々、高くなるGLP1濃度との比較が必要なはずです。上記のデータは、セマグルチドとビクトーザとの比較です。従って、セマグルチドとサクセンダとの比較試験がでないかぎり、このセマグルチドの毎日、注射が、より効果が強く、費用対効果がよいとは断言できない、と考えます。

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