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オゼンピックの発売時期予想
1週間に1回のGLP1製剤、セマグルチド、商品名「オゼンピック」の発売や、その効果についてのお問合せが増えましたので、改めてご連絡します。
まず、ノボ社の公式発表が、3月13日でした。 以下のリンクからPDFがみれます。
通常は、こういう製造販売承認取得がおりると、約1か月後には、臨床現場で処方ができるようになります。今日は、4月23日なので、多少、時間が過ぎているようです。
そこで、製薬メーカーに聞いたところ、年4回、薬価を決める機会があり、3月、6月、9月、12月だそうです。いまだに決まっていないところをみると、おそらく3月中での薬価は決まらずに厚労省は、それどこではなかったのかもしれません、とのことでした。6月中に決まったとしても、発売は6月末か7月始め。もしかして、コロナの影響が長引けば、6月も流れてしまうかもしれないとのことです。
メーカーとしては、12月中、つまり年内には絶対、発売はしたいと厚労省に希望をだしていると聞きました。
いずれにしても、セマグルチドは、糖尿病の治療薬です。血糖値を下げることが主たる目的の薬剤なので、誤解して始めると、効能や効果を、はき違えるので注意してください。さらに「安全性」についての担保があるのは、糖尿病の場合に限って、になっています。つまり、、
国際的に抗肥満治療として「安全性」が担保されているのは、「サクセンダ」のみです。
ですから、「セマグルチド」を、抗肥満治療として、国際承認薬であるかのように宣伝しているクリニックや医療業者は、偽の情報を社会に公開しているということになります。
セマグルチドについても、「抗肥満治療」については、論文がありますが、まったく糖尿病の治療とは異なる臨床技術を必要とします。それを知らない一部の美容外科系医師の宣伝は信用しないようにしておいてください。糖尿病学会、アメリカ糖尿病学会、あるいは、欧州糖尿病学会、国際糖尿病学会のどこかで、しっかりとしたガイドラインの発表があるまでは、御待ちください。
こうなってくると、GIP/GLP1受容体作動薬 VS セマグルチド の発売日が近づくことになりますから、かなりの熾烈な競争が始まりそうです。Glucagon/GLP1受容体作動薬の治験も、第III相が始まっていたとするのであれば、三つ巴の競争になりそうです。(もし、始まっていなければ、治験は全て中止ということなので、きわめて微妙な時期だったはずです。)
ともかく、各薬剤の、スタートダッシュは、かなり密集してきて、それによって過酷な競争が始まりそうです。