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ナイスコントロール ガリクソン投手からのおくりもの 連載(14)

 結婚については、自分が糖尿病であることはみんなに知れ渡っていましたし、当時ガールフレンドだった彼女(サンディ)も知っていました。サンディは、僕の幼なじみで、友達の友達っていう感じで紹介されました。彼女はこの頃大学でテニスをしていて、優勝経験をもつスポーツウーマンでした。ですから、僕がプロ野球選手として活躍していることに対しては、深い理解をしめしたくれました。それにもっとありがたかったことは、彼女の父親は学校の先生をしていて、僕の病気についてよく勉強してくれてとても好意的に考えてくれたことです。ですから僕らの愛情ははこのような家族の暖かい支援もあって、まったく障害なく、はぐくまれていきました。もちろん、結婚についても誰からも反対されませんでした。

 また僕自身にしてもプロポーズをするとき、自分で自分の病気のことはコントロールできることについては自信がありました。相手に迷惑をかけないで自分の責任として処理することができると、言うことができました。ですから、僕よりむしろそう言われた彼女のほうが、糖尿病に対してどのように対処したらよいかが困っていたくらいです。妻はとても理解のある女性で、結婚以来、糖尿病といっしょに生活していくためのパートナーとしての役割を立派に果たしてくれています。

 子供を産むのに対しても不安がなかったというのはウソになります。しかし、確かに糖尿病は遺伝するとは言われます。でももっと怖い病気になる子供の人だっています。それを考えると、もし自分の子供が糖尿病になっても大丈夫だと考えるようにしました。その時は、自分が糖尿病をもって生きることの先生になればよいと考えたからです。それに近い将来、この病気を起こすウイルスに対するワクチンができれば、遺伝的な素質をもっていても、発病しないですむ、といえる時代がくるかもしれないからです。

糖尿病になって数年の月日がたちました。僕は大リーグ選手としての実績もでき、また幸せな結婚をし子供もできて、まったく一社会人としての自信がついてきました。この頃、アメリカには殿堂入りしたキャットフィッシュハンターという、やはり糖尿病を持った名ピッチャーが居りました。彼は、野球も糖尿病もコントロールしだい、などといった名言を残していました。そして、僕もこの頃になると全く同じような考え方をすることができたのです。ピッチングも血糖コントロールも使う頭は同じです。問題は、よく自分の置かれた状況をよく理解することだと思うのです。そして、自分で自分の体をコントロールできるのですから、それはある程度自慢できることだと考えれるようになりました。

  あれほど嫌いだったインスリン注射も、数年たてば歯を磨くくらい簡単なものになってきました。このように、どんなにつらいことだと思っていても、それを我慢して一日一日積み重ねていくことでそれを克服することができることが解ってきました。これは、人生の生き方としてどんなことでも言えるのかも知れませんですが、ひとつづつ克服して、1ステップ1ステップづつ登っていくのが大事なのです。

もちろんこの糖尿病はそんな単純に克服できるものではないことも解っていました。僕の場合は、試合にでて調子がよくないと、いつも糖尿病のせいにされるのです。最初はこれも腹がたちましたが、しだいに慣れ、あまり動じなくなりました。そんなことに耳を貸してやきもきするより、まずは今日を精いっぱい生きようと考えるようにしたのです。そして今日が終われば、また明日がんばろうと思うのです。この積み重ねがしだいに自信につながっていき、無責任なグランドでの野次も、はねとばせるようになれました。

ナイスコントロール ! - ガリクソン投手のおくりもの ビル・ガリクソン (著), 鈴木 吉彦 (著) 医歯薬出版株式会社

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