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ナイスコントロール ガリクソン投手からのおくりもの 連載(29)
ガリーVSドクタースズキ ○ 自分の中にある勇気を大切に ○ Dr.鈴木 君の言葉を聞いていると、何から何までと強い精神力を感じさせられるね。 ガリー そうかな、僕はそうは思っていないけどね。これは勇気の問題だと思うんだ。誰にだって勇気はあるのだけども、病気があると、ついそれを見失いがちになる。僕は自分の中にある勇気を大事にして、それを少しずつ育ててきただけなんだよ。 Dr.鈴木 そうはいっても、きみは他人にはできないようなすばらしい人格形成をしてきたと思うのだけど。 ガリー 僕には、糖尿病は自分の人格形成にとって、とってもプラスになったと思うんだ。だから、この本を読んでくれた人たちも、自分に与えられたハンディを、プラスに変えるか、マイナスにしてしまうかは、自分自身だということをわかってもらえたら、と思うんだ。糖尿病は自分自身だよ。きっとみんなも自分自身を誇りに思える時がくるはずさ。みんながんばってほしい。 Dr.鈴木 本当に君は、糖尿病の患者さんだけではなくて、僕ら医療関係者にとっても大切ないろいろなことを教えてくれて、力づけられるよ。君と会っていて思うのは、僕らも多くのことを患者さんから学ばなければいけない、と感じることだ。 ガリー でも君は医者だし、僕らの先生なんだから。 Dr.鈴木 いや、糖尿病の場合には、医者が先生で、患者が生徒ということはないよ。僕が君からたくさんのことを学んだようにね。でも、君から学んだことを他の誰かに教える時には、僕は先生って呼ばれるかもしれないけどね。 ガリー これが絶対に正しいというものはないと思うんだけど。野球も糖尿病も、ナイスコントロールが大切だね。 Dr.鈴木 そう。だからこの病気の治療には、糖尿病を知ると同時に、己を知るということも大事になるのさ。 ガリー 僕もそう思うよ。だから一層、自分の力で工夫し、自分のあり方を追究していかなければいけないんだ。 ナイスコントロール ! - ガリクソン投手のおくりもの ビル・ガリクソン (著), 鈴木 吉彦 (著) 医歯薬出版株式会社 supported by 放射線技師 H