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アメリカ糖尿病学会 2020 , Poster Jun 13

アメリカ糖尿病学会2020.6月13日に発表された演題を、紹介します。

1596-P — 2020 ADA Evaluating Reports of Pancreatic Malignancy and Liraglutide: A Pharmacovigilance Study of the FDA Adverse Event Reporting System

リラグルチドだけが、他の、糖尿病治療薬と比べて、膵臓癌との関連が深いという内容の発表なのですが、これを、読み解くには、先に示した、ふたつの事象を、考えておかなくてはいけません。

つまり、糖尿病で癌になりやすい、肝臓癌、大腸癌、子宮体癌、乳癌などは、いずれも、肥満に関係した癌です。ですから、リラグルチドを投与すれば、論理的には、その頻度は低まるはずです。それに対して、膵臓癌だけは、肥満とは関係なく、起こる癌です。まして、膵臓癌になると、糖尿病になりやすいので、その関係は、どちらが鶏か、どちらが卵か、という関係になりやすく、判断が難しいのです。

特に、GLP1受容体作動薬は、膵臓に対しては、アポトーシスを抑制し、膵細胞の増殖を促しますから、なおさら、他の癌とは区別して、糖尿病の世界では、考えられています。先にしめしたように、糖尿病があるだけで、かなり膵臓癌にはなりやすいのですが、膵臓癌だけは、痩せたことで改善しない癌なので、肥満とは切り離して議論すべきテーマの癌なのです。

ですので、今後、65歳以上で、糖尿病の家族歴がなく、肥満がなく、でも、サクセンダを注射したい、そして、家族には膵臓癌の親戚がいる、などという方から、治療を受けたいと言われた時には、注意が必要なようです。65歳という基準は、韓国の論文でも、そこからは要注意、ということが示されています。

このことは、リラグルチドだけではなく、おそらく、GLP1受容体作動薬全体、つまり、オゼンピック、バイエッタ、リキスミア、トルリシティ、ビヂュリオンのみならず、経口セマグルチドにも、言えることかもしれません。実は、経口セマグルチドは、高齢者にこそ、向いている治療法だろうか、と、私は、この発表を聴講するまでは、そう考えていましたが、この発表を聞いて、高齢者には、糖尿病があって、かつ、肥満がなければ、GLP1受容体作動薬も、メトフォルミンなども、可能なかぎり、控えたほうがよいかもしれない、と、考えるようになりました。肥満があれば、肥満関連の癌を減らすという意味では、高齢者でも、よいかもしれません。

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