オゼンピックではなく、サクセンダを薦める理由とは?。
「先生、GLP1の新薬で、1週間に1回のオゼンピック、て、あるみたいですが、どうでしょうか?」と質問されることがあります。お問合せも少しはあります。
ですが、この薬剤には、思わぬ落とし穴があり、減量には不向きな点があります。それを解説してみます。
まず、特に、秋の果物を食べる頻度が増えてしまいます。そして、ついつい、甘いものをちょっとだけ、食べる習慣がついてしまいます。
オゼンピックにすると、いっぺんに量がはいらないから、つまみぐいが増える。目の前に果物があると、手が伸びます。そして、一口食べたらやめられなくなり、最後まで、その果物が食べたくなる。
サクセンダのほうが、ちゃんと食欲が抑制される時間を計算して、注射します。いつ、食欲を落とすのか、が計算でき、計画的にダイエットができます。つまり、必要な時に、減量した分の、ご飯を食べられるから、ご飯を食べた安心感があります。従って間食はしなくなります。
オゼンピックの場合には、「食べた気がしない。よって、他に何か、食べたくなる。特に、果物や年末にかけてのケーキなどでは、とても、誘惑にまけやすくなる。」、これによって、いつも「やってしまった!」という罪悪感にさいなまれる生活になるわけです。
結局、生活の質(QOL)としては、サクセンダのほうが、楽だし、人としての生活を、しっかり継続できる薬剤であると言えるわけなのです。いつも、最低限に必要な、ご飯が食べているほうが、間食はしない。それが人としての普通の生活である、と気がつかされるわけです。
糖尿病外来でも、オゼンピックを辞めたいという患者さんが増えてきました。最初は、1週間に1回だから便利だろうと思ったが、それなら、トルリシティに戻りたいという患者さんが増えてきているのです。ダイエット目的なら、やはり、サクセンダが一番です。
こういう「人間でしか理解できないフィードバック心理」を上手に利用しているのが、サクセンダ治療であります。だから、オゼンピックでは、ダイエット効果が希少である、と私はホームページにも記載しています。
さらに、糖尿病の血糖コントロールという観点からみても、血糖コントロールは、かえって悪化してしまっています。それは、糖尿病専門医としては、優秀な薬剤であるとは言えません。