- clinic94
αGIが、ダイエットに効きません。
ある医療系のサイトに、ダイエット向けの、「医療ダイエット」として αグルコシダーゼ阻害剤(αGIと略します)の名称がありました。
即座に「嘘」と思ったのですが、しかたなく、論文を調べたら、 2002年に1個だけ該当論文(Letter)がありました。
The effect of miglitol on glucagon-like peptide-1 secretion and appetite sensation in obese type 2 diabetics Diabetes, Obesity and Metabolism, 4: 2002, 329-335, の1ページのみです。
要約すると、8名の肥満2型糖尿病患者にαグルコシダーゼ阻害剤の1剤であるミグリトール(商品名、セイブル)を投与したところ、食後のGLP1濃度が高値になり、食事からの摂取エネルギーが12%減少した、食欲も多少抑えられた、という内容でした。しかも、観察期間は、たったの3日間!!。科学的論文としては、あり得ないデータだとは思うのですが、original article(つまり原著論文)扱いになっていました。
あくまで、本来、GLP1濃度が高くないとされる2型糖尿病患者に対して、ちっとは有効なデータということです。
これが、一般の肥満患者に対して有効とは、どこにも記載されていません。
その意味では、私が「嘘」、と最初に考えたのは、間違いではなかったようです。 論文がゼロではないことは確認しましたが、やはり、 もともと「嘘」だと思っていたら、そうでした。
こういう医療行為が、美容の世界では通用してしまうから、怖いと思います。ただ、この記載があるのは、ある美容関係のサイト1個だけでした。ほとんど無害なのかもしれません。バックに大きな組織があると、信用してしまう、ということだけなのでしょう。読者の皆さんは、注意されてください。
サプリ、ビタミン、αGI(食後の血糖を抑える成分として、実は有名な成分)、などが、ダイエットの世界には普通に横行してますし、それをとるかとらないかは、消費者の自己責任になります。