• clinic94

GLP1タキフィラキシーについて、その4.again

こうしたGLP1タキフィラキシーについての議論において、 分岐点となる論文が発表されたのは、くしくも、私の論文が発表された翌年、2015年のことでした。


それが、

A Randomized, Controlled Trial of 3.0 mg of Liraglutide in Weight Management. Pi-Sunyer X, Astrup A, et al.  N Engl J Med. 2015 Jul 2;373(1):11-22. doi: 10.1056/NEJMoa1411892.

という, 世界標準のGLP1ダイエットを始めるエビデンスとなったN.Eng.J.Medという世界的に超一流科学雑誌の、一論文の公開でした。


そして、この論文の公開によって、

結局、ビクトーザは、GLP1タキフィラキシーがあるがために、どんどん増量ができる、優れた、良い薬剤である。という結論にみちびかれます。


そして、そのタキフィラキシーを利用して、高用量まで、つまり、1日量にして、3mgまで、増量していっても、血糖をさげるという効果は維持でき、しかも、糖尿病の発症予防という早期からの投与にも適しており、さらに、体重を減らす、ウエイト管理ができる薬剤になりえる、という主張の論文だったわけです。


この論文は物議をかもし、様々な意見がでました。ですが、結局、この結論を、違う、という反対意見は、少数派になりました。そして、ノボノルディスク社は、他のGLP1受容体作動薬とは異なり、唯一、抗肥満に利用できる、GLP1タキフィラキシーを応用できる薬剤、ビクトーザ、をもつ、知名度の高い会社として、再評価されることになったわけです。


ビクトーザは、糖尿病の治療薬の商品名だったので、あえて、それを、サクセンダという別の商品名にし、3.0mgまでの、高用量投与を可能にする薬剤を、正規の「抗肥満薬製剤」として、名称も刷新して市場に出すことを発表したのが、たしか、2017年の欧州糖尿病学会での発表だったかと思います。会場は発表の後、スタンディングオベーションで、欧米の医師たちは、こぞって大きな鳴り止まぬ拍手をしてました。(年次に多少のずれがあるのは、お許しくださいね。ブログなので。)


そして、その場に、私はいあわせて、世界標準の、思想が変わっていく瞬間を、目の当たりに見てきました。その場で、拍手の音を聞き、スタンディングオベーションが、なかなか、なりやまない様子は、今でも目にやきついています。国際学会は、これだから、たまらなく参加することが、すきなんです。日本では、味わえない臨床家としての感動をもらうことができます。


結局、こうした経緯をもって、私たち、日本の糖尿病専門医も、ビクトーザにかぎっていえば、GLP1タキフィラキシーは望ましい現象である、という事実をうけいれざるをえなくなったという歴史があります。


このように、私たち、「糖尿病専門医」でさえも、時に、この「GLP1タキフィラキシー」という用語の正しい使い方(??)を間違うこともあるくらいで、一般の、GLP1ダイエットを、これから、行おうとしている受診者の皆様が理解に苦しむのは当然のことだろうと思います。


代表的な質問には、短く回答しようと思いました。ですが、私の過去の論文が学問的に否定されたという悔しさも含めて書いていたら、その4,にまで、なってしまっていました。また、次の外来を受診される時には、もっと、コンパクトに簡潔に説明させていただきます。長文で、ごめんなさい。  



0回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示

トランプ大統領のベストスピーチ

Quoraからの引用です。 トランプ大統領のベストスピーチと言われる内容は、健康に対する認識でした。こういう所が、彼が人々の尊敬を集めた点だったのかもしれません。 この中に、really tough, really big, and really good appetizingという表現があります。 「タフな奴は、しっかりでかくて、食欲もしっかりある。」 これは「ダイエット」とは、一見、別のような

12月、年末は、ダイエット漫画一斉公開!

2020年12月は、12月1日から、これまで当院スタッフが作成した、GLP1ダイエットの漫画を、1か月かけて、一斉公開していきたいと思います。 コロナ禍による重くのしかかった風潮を、漫画で一斉に吹き飛ばしていただければ、と考えての企画です。 今年は「鬼滅の刃」が大流行しましたし、アニメで始まり、アニメで終わるのが、美しいのかもしれません。

「いきなり!ステーキ」で15キロ減量できるか

2015年、5年前の「いきなり!ステーキ」は、元気がありました。 以下のように、赤身の肉だけたべて、15kg痩せられるかを実験したそうです。 「赤身肉だけを食べるダイエットの行方」がテーマでした。 しかも、2015/09/18 の記事ですから5年前の記事です。 ただし、加えて、「筋肉トレーニング、有酸素運動も行う。これらにかかる費用は会社から経費として出ることになっている。」ということで、肉だけ食