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オゼンピック、日本発売まで後1年ちょっと。
1週間に1回のGLP1製剤で、国際的には広く普及しているオゼンピック(セマグルチド)が日本だけ使えないなんて悔しいですよね。アメリカ糖尿病学会から、普通にパンフレットが送られてきています。アメリカ糖尿病学会の会員なので、普通に製剤比較がされて宣伝されています。
日本の常用量のトルリシティ(0.75mg)では、体重は減らない、というのは糖尿病の世界では常識です。ただ、アメリカの用量(1.5mg)になると体重は多少はへります。
ですがサクセンダやオゼンピックと比べると全然です。トルリシティは1週間製剤なのですが、0.75mgしか注射しないと、4,5日たつと反動のように過食傾向になり、5,6日目には過食になるため1日目から4日目の食欲低下が相殺されてしまうからなのです。
なのに、週1回を強調している都内の美容系クリニックでは、どう説明するのでしょうね。
ともかく、オゼンピックは2年以内には、日本でも処方できるようになることでしょう。
昨年の12月、承認却下されてから10ヶ月が経ちました。あの時から2年後にはノボノルディスク社は専用のペンを開発し日本で発売すると宣言しています。つまり2年後と言ってから、既に10ヶ月は過ぎたので、日本でオゼンピックが発売になるのは、あと1年と2ヶ月後くらいが目安と考えておいてよいようです。
もちろん、最初は糖尿病治療用として発売されます。でも微妙に、トルリシティよりは体重が減ります、と強調しているので、きっとまた美容系クリニック達が手を出してくることでしょう。
ともかく、美容系クリニックの宣伝においては、社会教育上での、嘘だけはつかないようにしていただきたいです。私たち糖尿病専門医のみならず、それを信じている、糖尿病患者さんに対しても、被害が及びますから。
