現在、こうした場面で非常に大きな役割を担っているのが、MRと呼ばれる人材であり、かれらが日常的に展開している次のような活動からも、医療現場におけるコミュニケーションの重要性の一端を窺い知ることができる。
①効能、効果、用法、用量、作用機序、副作用など、科学的根拠に基づいたいやくひんのデータを医師に対して提供する ②正確な臨床データを医療現場から収集する ③収集した情報を、迅速に幅広い医療現場に伝達する ④同時に製薬会社にも情報をフィードバックし、新薬の研究開発に役立てる
とはいえ、こうした「人間系」による活動に頼るにしても限界がある。医薬品の進化、医療の専門分化に伴い、医師からの情報ニーズはますます高度化、専門化しているからだ。 医療機関を訪問するMR自身の知識や経験にも個人差があり、しかも、医師が必要とするのはいやくひんの情報だけではない。 一方では、「時間」という問題もある。特に最近は、現場の医師たちの忙しさがピークに達しており、いかに優秀なMRであろうと、頻繁に来られては対応に困るというのが実情だ。やむを得ない措置として訪問規制を敷いている医療機関も珍しくない。 そうした中で、より的確かつタイムリーな情報伝達や、専門家同士の緊密な意見交換をサポートし