別な側面では、利用者(顧客)のニーズをどうやって把握するのか、そのこと自体が大きなテーマであった。そのために、徹底したマーケティング分析を行い、ビジネスモデルを構築し、顧客をセグメンテーションするためのプロファイルを収集するといったアプローチが不可欠だったわけだ。
ところが、My Mediproが対象とする医療情報の場合、ニーズ性そのものは最初からはっきりしており、「利用者が何を専門分野としているか」という切り口によって、それは自ずと絞り込まれてくるという。したがって、利用者の個人的な嗜好に立ち入るようなプロファイルや、複雑なマッチングルールはそれほど必要としないようだ。
だからといって、こうした情報サイトの構築が用意であるというわけではない。むしろそれゆえに表面から隠れていた、ワン・トゥ・ワンの本質的なポイントが浮き彫りになってくるのだ。
それは情報提供のプロセスそのものものにおいてである。
「最も重要なのは、利用者が必要とする情報にスムーズに到達できることです。しかし結果的に同じ情報への橋渡しをするにしても、たとえば利用者の要求をあらかじめヒアリングしておき、それに該当する情報サイト側からプッシュ式に提示するのと、利用者が本当にその情報を必要とした時点ではじめて提示するのでは、受け止め方にも微妙な差が表れてきます。また、医療のように時として生命に関わる分野の場合、単に利用者がかんしんを持っているとか、持っていないといった判断だけではなく、それぞれの専門における重要な情報を、できる限り見てもらわなければならないという、